ウゴービとマンジャロ、どちらがより体重減少効果が強いか
ウゴービとマンジャロ、どちらがより体重減少効果が強いか
ウゴービと同一成分であるオゼンピックとマンジャロの比較試験(SURPASS-2試験)を参考にします(N Engl J Med 385(6):503-15,2021.)。
SURPASS-2試験はマンジャロ5mg・10mg・15mg vs オゼンピック1mgの比較試験です。主要評価項目はHbA1cの改善効果であり、体重減少効果は副次評価項目として設定されていました。
その結果、いずれの用量においても、マンジャロはオゼンピックよりも有意に体重減少効果を示したと報告されています。

しかし、これで直ちに、「オゼンピックよりマンジャロが、肥満者において体重減少に関して優れている」と評価することはできません。試験対象は「肥満症の患者」ではなく「2型糖尿病患者」であるため、肥満症の方への効果を直接的に示すものではありません。
オゼンピックの用量は最大で1mgに固定されており、ウゴービで使用される2.4mgとは異なるため、単純比較はできません。またオゼンピックでも、明確な体重減少効果が確認されています。
次に、「BMI>27の肥満者に対してセマグルチド vs チルゼパチド」の直接比較試験(後ろ向きコホート)を参考にします。(Rodriguez PJ, et al. JAMA Intern Med. 2024;184(9):1056-1064.)


体重減少の達成割合(チルゼパチド vs セマグルチド)
≥5%減量:81.8% vs 66.5%(HR 1.76)
≥10%減量:42.3% vs 18.1%(HR 2.54)
≥15%減量:20.0% vs 7.3%(HR 3.24)
平均体重減少率 (チルゼパチド vs セマグルチド)
3か月:-5.8% vs -3.4%
6か月:-10.1% vs -5.8%
12か月:-15.3% vs -8.3%
これらをまとめると

ノボ ノルディスクは苦境に立たされている・・・。