ここでは100人以上減量に成功させた肥満治療に関する総合的な科学的アプローチを説明します。

あなたがやるべきことは次のとおりです

1:ダイエットの原則を知り、自分の1日の消費カロリーと目標とする摂取カロリーを把握する。

2:原則を守りつつ、ダイエットを成功させる5つのテクニックを知る

3:実践し、振り返り、継続する。そして習慣とする。

まずダイエットの原則を提示します。

ダイエットの原則は常に「摂取カロリー<消費カロリー」です。
どんな時もこの原則は当てはまります。
様々な情報があり、迷うことも多いと思います。そんな時はこの原則を思い出してください。

下記の項目に、現状の値を打ち込んでみましょう。
「1日の目標タンパク質摂取量」は初心者の場合1.5・2.0 g/kgが適切です。

現状を正しく把握しよう

性別

計算結果

  • BMR(基礎代謝カロリー): kcal/日
  • 推定活動係数:
  • TDEE(総消費カロリー): kcal/日

1日の摂取カロリー

PFC目安

  • タンパク質: g/日
  • 脂質: g/日
  • 炭水化物: g/日
  •    

この計画を継続すると

※ 数値は目安。体調や治療方針に応じて医師と相談の上、調整してください。

計算結果が出たらスクリーンショットを撮って、記録しておきましょう。
これであなたの「1日の消費カロリーと目標とする摂取カロリーを知る」ことができました。

1日15000歩のウォーキング

あなたは1日何歩、歩いているか?

上記で記載した通りの歩数を選択してください。歩数がわからない方はお持ちのスマートフォンに歩数計測アプリを導入してください。

1〜5,000歩

5,001〜8,000歩

8,001〜12,000歩

12,001〜歩

1〜5,000歩:動かなさすぎです

この歩数のあなたは、流石に運動不足と言わざるを得ません。人は動物であり、動く生き物です。江戸時代の町民は1日30,000歩も歩いていたといいます。

ダイエットの原則でもお伝えした通り、体重を減少させるためには「摂取カロリー<消費カロリー」を維持しなければなりません。もっと動きましょう。

まずは、8,000歩を目指しましょう。歩数は少しずつ伸ばします。1週間で1000〜2000歩程度ずつ上げていきましょう。

5,001〜8,000歩:日本の平均的な歩数です

あなたは日本人の平均的な歩数を歩いているといえます。悪くはないです。

ただ、これくらい歩いていても「体重が増えている」あるいは「痩せていない」というのであれば、より多く歩く必要があります。

ダイエットの成功のために、少しづつ歩く量を増やしましょう。まずは1日10,000歩を目指してください。歩数は少しずつ伸ばします。1週間で1000〜2000歩程度ずつ上げていきましょう。

8,001〜12,000歩:あなたはよく歩いています

あなたは日本人の平均歩数より多く歩いています。この習慣を継続しましょう。

ただ、これくらい歩いていても「体重が増えている」あるいは「痩せていない」というのであれば、食事管理に目を向ける必要がありそうです。

カロリー計算や食事管理については考えていますか?どのような食事管理が良いのかについてはこちらをご覧ください。

ダイエットを成功させるマジカルナンバーは1日15,000歩です。もう少し歩きましょう。1日15,000歩を達成する15個のコツをご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。歩数は少しずつ伸ばします。1週間で1000〜2000歩程度ずつ上げていきましょう。

12,001歩〜:有酸素運動以外に目を向けるべきです

あなたは十分に有酸素運動を実施できています。この素晴らしい習慣を継続してください。

もしこの習慣を始めて間もない(数週間程度)のであれば、結果は必ずこれからついてきます。安心してください。

ただ、1ヶ月以上1日12000歩数以上を維持しているのに痩せない場合、次のこと考えられます。

・食事管理をしていない、あるいは誤っている
→カロリー計算と制限はしていますか?最初に立ち返り、自身の摂取するべきカロリー量を把握しましょう。

・筋力トレーニングをしていない、あるいは不十分である
→ダイエットを始めて数ヶ月経過すると体重の減少幅が小さくなります。停滞期を打破する唯一の方法は筋トレです。こちらをご参照ください。

・睡眠が足りていない
→睡眠が足りない肥満の方を十分眠らせるだけで痩せた研究結果があります。睡眠は重要です。こちらをご覧ください。

十分なタンパク質を摂取する

タンパク質は食事誘発性熱産生を活性化させる栄養素です。“Protein”という言葉はギリシャ語の「proteios(最も重要な) 」に由来しており、栄養学における重要性を象徴しています。1日あたり、体重1kgあたり1.5〜2.0gのタンパク質摂取を目指しましょう。

肝臓・腎臓に持病がある方は主治医にご相談ください。

短時間のfasting=断食を実施する

断食(Fasting)は、摂取カロリーを無理なく抑えるための非常に有効なテクニックの一つです。胃袋には限界があり、1度に3食分を取ることはできません。1日16時間の断食は科学的根拠がある良い方法です。まずは1日12時間断食から始めてみましょう。

摂食障害や1型糖尿病など内分泌疾患がある方は主治医に相談してください。

筋力トレーニングを行う

減量すると脂肪だけでなく筋肉も同時に減少します。これは避けられない運命です。さらに、筋力低下は基礎代謝量も低下させ、減量速度が低下し、リバウンドを招きます。

みなさんは「筋肉は残して、脂肪だけ減らしたい」と思っています。当然のことです。

減量中に筋肉をできるだけ残しながら、あるいは増量しながら脂肪を落とす方法は「筋力トレーニングをする」ことが唯一の解決策です。

是非、ジムに加入してください。やるべき筋力トレーニングは全身を鍛えるトレーニングです。

大胸筋・三角筋(肩周り)、背筋(広背筋や脊柱起立筋など)、臀部・大腿四頭筋・大腿二頭筋などの「大きな筋肉」を鍛えてください。

おすすめの筋力トレーニング種目はベンチプレス(フラットやインクライン)、懸垂、ラットプル・デッドリフト、スクワット(ブルガリアンスクワット)などです。

これらを週2〜3回程度実施してください。

適切な睡眠をとる

睡眠不足は太ります。

睡眠不足により、食欲増進ホルモン増加、満腹ホルモン低下を招きます。睡眠不足の肥満患者を集めて十分に眠らせただけで、体重が減少する研究結果があります。

睡眠は、量と質の両方が重要です。ショートスリーパーになることは不可能と考えてください。

1日7〜8時間の睡眠を確保しましょう。質の良い睡眠を確保するため、昼の12時をすぎてカフェインは取らない生活を心がけましょう。アルコールもダイエットの効果が減少し、アルコール分解の過程で覚醒作用のあるアセトアルデヒドが産生されるため、アルコールはできる限り少なくしましょう。