神経免疫疾患の長期管理を、通いやすい地域で

多発性硬化症(MS)と視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、いずれも中枢神経(脳・脊髄・視神経)に炎症が起こる自己免疫疾患です。視力低下、手足の感覚障害・運動麻痺、歩行障害、排尿障害、疲労感など多彩な症状が、再発・寛解を繰り返しながら進行することがあります。

近年、疾患修飾薬(DMT:Disease-Modifying Therapy)の進歩により、再発を抑え、長期的な障害の進行を軽減することが可能になってきました。当院の金曜神経内科外来では、MS・NMOSDの診断から、疾患修飾薬による長期治療の継続までを、専門施設と連携しながら地域で担当します。

MSとNMOSDの違い

両者は似た症状を呈しますが、治療方針が全く異なるため、正確な鑑別が極めて重要です。

  • 多発性硬化症(MS):中枢神経の複数箇所に炎症が時間的・空間的に散在して起こる。若年〜中年の女性にやや多い。
  • 視神経脊髄炎(NMOSD):主に視神経と脊髄が侵される。抗AQP4抗体が陽性となることが診断の決め手の一つ。MSに効く薬が逆効果となる場合があるため、抗体検査による鑑別が必須。

こんな症状はご相談ください

  • 急に視力が落ちた、目を動かすと痛い、色が薄く見える(視神経炎の可能性)
  • 手足の感覚がおかしい、力が入らない、歩きにくい
  • おしっこが近い・出にくい、便秘がひどくなった(膀胱直腸障害)
  • 体が帯で締め付けられるような感覚がある(脊髄症状)
  • 疲れやすさ、集中力の低下が続いている

当院での診療の進め方

  1. 問診・神経学的診察:症状のエピソード(発症時期・経過・既往の神経症状)を詳細に確認
  2. 血液検査抗AQP4抗体抗MOG抗体など、鑑別に必須の自己抗体を測定
  3. 画像検査:MRI(頭部・脊髄)を愛媛大学病院等の連携施設で実施し、特徴的な病変を評価
  4. 脳脊髄液検査:必要に応じて連携施設で実施(オリゴクローナルバンドなど)
  5. 視覚誘発電位等の電気生理学的検査:連携施設で実施

当院で対応可能な治療

急性増悪期の治療

  • 多発性硬化症・視神経脊髄炎の急性期治療は当院では行えません連携施設での入院治療手配いたします。

多発性硬化症の疾患修飾薬(DMT)

保険適用条件と疾患活動性に応じて、以下の選択肢を検討します。

  • 注射製剤:インターフェロンβ、グラチラマー酢酸塩
  • 経口薬:フマル酸ジメチル、フィンゴリモド、シポニモドなど
  • モノクローナル抗体:ケシンプタ®(オファツムマブ)、タイサブリ®(ナタリズマブ)など

NMOSD(視神経脊髄炎)の維持治療

  • 抗CD20抗体(リツキシマブ等):当院では実施できません。連携施設を紹介いたします。
  • インターロイキン-6受容体阻害薬:エンスプリング®(サトラリズマブ/)
  • 補体C5阻害薬:ソリリス®(エクリズマブ)、ユルトミリス®(ラブリズマブ))
  • 従来型免疫抑制薬:アザチオプリン、タクロリムス等
※ いずれの薬剤も、保険適用条件・投与間隔・副作用モニタリング方法が異なります。初回導入は専門施設で行い、維持投与を当院で継続する形が一般的です。診察のうえ、個別に最適な方針をご提案します。難病申請が必要となります。

長期フォローの体制

症状が安定した後は、定期的な診察・採血・必要な薬剤投与を当院で継続し、年1回程度の画像検査(MRI)を連携施設で行う形で、通院負担を抑えながら治療を続けていただけます

受診のご案内

多発性硬化症・NMOSDのご相談は、毎週金曜日の神経内科外来へ。他院で診断・治療を受けている方は、診療情報提供書・MRIの画像CD・これまでの検査結果をぜひご持参ください。

TEL:089-964-7787(代表)
〒791-0211 愛媛県東温市志津川89-3/駐車場10台完備