手足のしびれ、放置していいもの・いけないもの

カテゴリー:しびれ・末梢神経障害 | 監修:池川内科・神経内科 | 公開:2026年4月

手足のしびれ、放置していいもの・いけないもの

手足のしびれは、ほとんどの方が一度は経験する症状です。しかし「正座のあとのジンジン」のような一時的なしびれと、治療が必要なしびれは、原因がまったく異なります。特に 片側だけのしびれ、だんだん広がるしびれ、力が入りにくいを伴うしびれは、見逃すと後遺症を残す疾患が隠れていることもあります。

「しびれ」にはいろいろな種類がある

医学的には「しびれ」はひとくくりにできない、幅広い症状の総称です。主に以下の3つに分けて考えます。

  • 感覚異常:触れているのにジンジン・ピリピリする、感覚が鈍い、焼けつくような感じ
  • 運動障害:力が入りにくい、箸が使いづらい、つまずく、物を落とす
  • 異常感覚:触れていないのにムズムズ、虫が這うような感じ、ザワザワする

これらは神経のどこに問題があるかで起こり方が変わるため、診察では「どのような感覚のしびれか」「どこからどこまでの範囲か」を詳しく伺います。

しびれの主な原因

しびれの原因は多岐に渡りますが、代表的なものは以下のとおりです。

  • 脳の病気:脳梗塞、脳出血、脳腫瘍(片側・急に起こる)
  • 脊髄・神経根の病気:頸椎症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
  • 末梢神経の病気:糖尿病性神経障害、手根管症候群、肘部管症候群、CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)
  • 栄養・代謝の異常:ビタミンB12欠乏、甲状腺機能低下
  • 免疫の異常:ギラン・バレー症候群、血管炎性神経障害
  • 薬剤・お酒:抗がん剤、長期飲酒による多発神経障害

つまり、しびれから「病気の種類」と「どの神経が障害されているか」を絞り込むことが、診療の第一歩になります。

特に注意すべき「危険なしびれ」

⚠️ このしびれはすぐに受診を

  • 片側だけに急に起こったしびれ(脳卒中の可能性)
  • しびれと同時に ろれつが回らない/口の片側が下がる/視野が欠ける
  • 力が入らない/歩きにくい/階段が下りにくい
  • しびれが 数日〜数週間で広がっている
  • 排尿・排便のコントロールが悪くなってきた
  • 糖尿病をお持ちで、足の感覚が じわじわ鈍く なってきた
「急に」「片側に」「広がる」しびれは、脳卒中・脊髄疾患・ギラン・バレー症候群など、早急な治療が必要な病気のサインのことがあります。迷ったら、まずはお電話でご相談ください。土日夜間で症状が急な場合は、救急病院への受診をご検討ください。

受診しても「大丈夫だった」でOKです

一方で、しびれの多くは 命に関わらないタイプ です。正座のあとのしびれ、寝ている姿勢で腕を圧迫したあとのしびれ、冷えや疲労でのしびれ、軽度の頸椎症によるしびれなど、経過をみれば問題ないケースも多いのです。

大切なのは「これは大丈夫なしびれか、危険なしびれか」を 自己判断せずに区別してもらうこと。早く受診して「様子を見ていいタイプ」と分かれば、それだけでも安心の価値があります。

当院での診療の流れ

毎週金曜日の脳神経内科外来(予約不要)で、脳神経内科専門医がしびれの診療を行っています。

  • 問診:いつから、どの範囲に、どんなしびれか/既往症/服用薬
  • 神経学的診察:感覚・筋力・反射・歩行を系統的に評価(これが診断の要)
  • 血液検査:糖尿病、ビタミンB12、甲状腺機能、自己抗体など
  • 画像検査:必要に応じてCT、連携医療機関でMRI
  • 神経伝導検査・筋電図:末梢神経障害を疑うときは連携先で実施

結果を総合して、治療が必要かどうか、必要な場合はどんな治療が適切かを一緒に決めていきます。

糖尿病をお持ちの方は特に定期チェックを

糖尿病による神経障害(糖尿病性神経障害)は、しびれの原因として 最も頻度が高いものの一つです。初期は「足の裏がジワジワ鈍い」「靴下の上にもう1枚履いているような感じ」といった、気づきにくい症状から始まります。

放置すると、傷の痛みを感じなくなり、足潰瘍・壊疽へ進展するリスクがあります。糖尿病をお持ちの方は、年1回の神経診察を強くお勧めします。

まとめ

しびれは「大丈夫なもの」と「危険なもの」が混在する症状です。迷ったら専門医にご相談いただくのが最も安心です。愛媛県東温市の池川内科・神経内科では、脳神経内科専門医が丁寧に原因を整理し、必要な治療につなげます。

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