ラモトリギンで発疹が出たら
重い皮膚の症状と量を守る理由
このお薬と重い皮膚の障害
添付文書の警告には、このお薬で、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、薬剤性過敏症症候群など、全身の症状を伴う重い皮膚の障害があらわれることがあり、亡くなった例も報告されていると書かれています。
このお薬による発疹は、皮膚に平らな斑点のように出たり、小さく盛り上がったぶつぶつとして出たりすることが多いとされています。重い皮膚の障害は、飲み始めてから8週間以内に起こりやすく、バルプロ酸ナトリウムというお薬と一緒に飲んでいる場合や、お子さんでも起こりやすいことが示されています。お子さんでは、発疹の始まりが感染症と間違えられやすいため、飲み始めて8週間以内に発疹や熱が出たときは特に注意することとされています。
ほかのてんかんのお薬でアレルギーや発疹が出たことがある方は、このお薬でも、重くない発疹が出やすくなるとされています。思い当たる方は、診察のときにお伝えください。
発疹に気づいたら、すぐに受診してください
添付文書では、発疹があらわれたときは早めに皮膚科の専門医に相談することとされています。また、患者さんやご家族に、発疹や下に挙げる症状があらわれたときはすぐに受診するよう伝えることとされています。発疹に気づいたときは、次の診察日を待たずに、処方を受けている医療機関にご連絡ください。
発疹に加えて次のような症状があるときは、重い皮膚の障害のおそれがあります。
- 38℃以上の熱がある。
- 目が赤く充血している。
- 唇や口の中、陰部がただれている。
- 皮膚や粘膜に水ぶくれができている。
- 顔が腫れている。
- のどが痛い、体全体がだるい。
- リンパ節が腫れている。
添付文書では、こうした症状があらわれたときは、このお薬をただちに中止することとされています。気づいたときは、すぐに処方を受けている医療機関に連絡し、受診してください。
発疹がなくても注意してほしい症状
薬剤性過敏症症候群という重い副作用では、発疹や熱から始まり、リンパ節の腫れ、顔のむくみ、血液や肝臓の異常など、全身にさまざまな症状が出ることがあります。この副作用は遅れてあらわれることがあり、初めのうちは発疹を伴わないこともあるため、熱やリンパ節の腫れなど、発疹以外の症状にも注意することとされています。お薬をやめた後も、発疹や熱などがぶり返したり長引いたりすることがあります。
また、首の後ろがこわばる、熱、頭痛、吐き気や嘔吐、意識がぼんやりするといった症状を伴う無菌性髄膜炎も、重い副作用として記載されています。こうした症状に気づいたときも、すぐに医療機関にご連絡ください。
決められた量と増やし方を守る理由
添付文書では、決められた量を超えて飲んだ場合に、発疹などの皮膚の障害が多く起こることが示されています。このため、飲み始めの量と、その後に量を増やしていく速さが細かく決められており、飲み始めのときも、少しずつ増やしていく途中も、決められた量を超えないこと、量を増やす時期を早めないこととされています。自己判断で量を増やしたり、増やす時期を早めたりせず、処方されたとおりに飲んでください。
飲み始めの量や増やし方は、一緒に飲んでいるお薬によって分けて決められています。バルプロ酸ナトリウムと一緒に飲むと、このお薬が体から抜けるまでの時間が長くなるとの報告があります。反対に、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、リファンピシンなど、このお薬が肝臓で分解されるのを速めるお薬と一緒に飲むと、このお薬の血液中の濃度が下がります。経口避妊薬(卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含むお薬)と一緒に飲んだときも、このお薬の血液中の濃度が下がったとの報告があります。
添付文書では、このお薬を飲んでいる間に、こうしたお薬を始めたりやめたりするときは、このお薬の量の見直しを考えることとされています。ほかの医療機関でお薬が始まるとき、やめるときは、ラモトリギンを飲んでいることをお伝えください。
自己判断でやめない・再び飲み始めるとき
てんかんの治療で飲んでいる方が、急に量を減らしたり、急にやめたりすると、発作が悪化したり、発作が止まらない状態(てんかん重積状態)になったりすることがあります。発疹などのためにすぐにやめなければならない場合を除き、やめるときは時間をかけて少しずつ減らすことが添付文書に書かれています。
発疹などの皮膚の症状のためにやめた場合は、治療の利点が危険を上回ると判断されるとき以外は、再び飲むことはしないとされています。また、いったんやめた後に再び飲み始めるときは、どのような理由でやめた場合でも、続けて飲むときの量(維持の量)より少ない量から少しずつ増やすこととされています。しばらく飲んでいなかったときは、自己判断で前と同じ量から飲み直さずに、医師にご相談ください。
お薬をやめたり、量や飲む時間を変えたりするときは、自己判断ではなく、処方を受けている医師や薬剤師にご相談ください。
Q. 発疹が少し出ただけで、かゆみもありません。様子を見てもよいですか?
A. このお薬では、発疹から重い皮膚の障害に進むことがあるため、添付文書では、発疹があらわれたときは早めに皮膚科の専門医に相談し、患者さんやご家族には発疹に気づいたらすぐに受診するよう伝えることとされています。軽く見えるときも、処方を受けている医療機関にすぐにご連絡ください。
Q. しばらく飲むのをやめていました。前と同じ量で再開してよいですか?
A. 自己判断で前と同じ量から再開しないでください。添付文書では、いったんやめた後に再び飲み始めるときは、どのような理由でやめた場合でも、維持の量より少ない量から少しずつ増やすこととされています。再開のしかたは医師にご相談ください。
Q. ほかの病院で新しいお薬が出ることになりました。
A. 一緒に飲むお薬によって、このお薬が体から抜けにくくなったり、血液中の濃度が下がったりすることがあり、添付文書では、そうしたお薬を始めたりやめたりするときは、このお薬の量の見直しを考えることとされています。ほかの医療機関では、ラモトリギンを飲んでいることを忘れずにお伝えください。
出典:ラミクタール錠小児用2mg/小児用5mg/25mg/100mg 添付文書(2026年8月改訂、PMDA 医療用医薬品情報)。
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